「良きライバルとともに成長しよう」

― 32期生の卒部に当たって ―

総監督 大津 保男

 BJ32期生14名の新しい一歩が、今まさに踏み出されようとしています。

まずは、紆余曲折はありながらも、今日までBJでのサッカーを続けてきた君たちの頑張りに、心からお祝いと感謝の拍手を贈りたいと思います。

君たちがこの世に生まれ、物心がつき始めた幼稚園児の頃、それはちょうど「2002FIFAワールドカップ日韓大会」が行われ、開催国としての盛り上がりもピークに達し、その興奮と余韻がまだ残る時期でした。

グループリーグ1位通過で初の決勝トーナメント進出(ベスト16)となるも1回戦で敗退の日本、同じく、リーグ1位で決勝トーナメントを迎えた韓国は準決勝まで勝ち進んで第4位。

アジアの良きライバルである韓国の快挙もあって、その後、日本のサッカー界では『JFA2005年宣言』により、2015年、あるいは2050年までの目標を掲げて新たなスタートを切りました。その頃には、君たちもすでに小学校の低学年となり、さらに3年生の時には、「ドイツ大会」を迎えました。

日韓ともに決勝トーナメント進出が叶わなかったこの大会ですが、君たちは世界各国の素晴らしいプレーをテレビで目にしたはずです。

君たち32期生の大部分は、こうした時期にBJでの活動に関わりを持ち始め、サッカーに取り組んできたわけで、いわば日本のサッカーの進歩・発展などを見ながら、ともに歩んでいる世代とも言えます。

そして、まもなく迎える中学生としての新しい生活、君たちにとって3度目のワールドカップはすぐそこです。

 5年後、さらに40年後に日本のサッカー界がどうなっているか、君たちには是非見届けて欲しいと願っていますし、それまでは、どんな形にせよサッカーあるいはスポーツに関わりを持っていて欲しいと思います。

 さて、ここで卒部を機会に、これまでの32期生の成り立ちを振り返ってみることとしましょう。

保育園の年中の頃から兄と張り合って技術と精神力を鍛えてきた「しょうき」は、小柄ながらも当時から注目を浴びる存在でした。

その戸室小の「しょうき」に続き、1年生の春先に入部してきたのが、妻田小の「たけひろ」と「しいな」、そして厚木小の「だいき」でした。体験の子やお友達などとともに、1学期から市内大会にも出場し、秋以降には、戸室小の「たくみ」、妻田小の「まさむね」、2年生になる直前には、市外のチームでの経験のある「まこと」が戸室小から加わるなど、順調にメンバーを増やしてきました。

 また、この頃には、後に転居その他の事情により、BJを去ることとなった、「じゅりや」、「かずき」、「しょう」、「けんや」、「まいこ」などの仲間も在籍していたため、2年生になる前後ですでにイレブンが揃い、運営する立場としては大変に心強い限りでした。

その後、2年生になると厚木第二小の「りゅうた」や「ゆうた」、そして後に大阪に転居した「てっぺい」が加わって、チームは一段と活気づきました。

3年生の時には厚木小の「ともひろ」と第二小の「りき」が加わり、別の意味での賑やかさを増してきました。さらに、4年生になってからは「だいち」、「しょうた」の第二小メンバー、5年生になる頃には、後にペアーズ戸田に移った「りょうた」や最後の入部者「ゆうま」と、第二小からの入部がかなり続き、今日に至っています。

こういう君たち32期生の成り立ちを振り返ると、今となっては叶わぬ夢ですが、仲間として関わった21名全員が一丸となって今日までBJで続けていたら、きっと今以上に個性豊かで、チームとして素晴らしい成績をあげる32期生になっていたことと思われます。

 低学年の頃には、市内大会では一回戦負けの後のフレンドリー戦というパターンが多かった君たちですが、BJ30周年記念U−10招待大会の準優勝あたりから、頭角を現してきたように思います。

特に、4年生の冬にJTグラウンドで戦った県選手権を観た時、私はある種の感動を覚えました。BJとしても快挙の部類である、2回戦・3回戦を勝ち抜きブロック決勝まで進んだという結果もさることながら、君たちの動きからそれぞれの成長を見て取ることができたからです。

その後、5年生の夏には市内フットサル大会での優勝、富士山ジュニアカップの2位トーナメントでの準優勝などを経て、11月の東急ちびっこフットサルでは6試合全勝での優勝という快挙。さらには、県内外の強豪が集う1月のフットサルGPカップでは、惜しくも1対2でパーシモンに敗れて優勝を逃したものの、素晴らしい快進撃でした。

 しかし、一方で課題は色々と残っています。その一つが「総合力」という点です。フットサルなどでの好成績は、どちらかというと限られたメンバーの活躍に頼るところが多く、まだまだ全員の総合力とはなっていません。チーム全員の潜在能力を十二分に発揮するための工夫や、その前提となる一人ひとりのレベルアップはエンドレスだと思います。

 FC厚木ガールズやトレセンでの活動などもあり、全員が揃う機会が少ない32期生でしたが、これから先は、様々な場面で良きライバルを見つけ、スポーツや勉強あるいは人間性など、常に自分を高める努力を続けて成長して欲しいと思います。夢を単なる憧れに終わらせないためにも、身近なライバルを持ち切磋琢磨すること、それがきっと君たちの夢を実現する近道となるはずです。

 頑張れ! 32期生。