「君たちに期待するもの」

― 31期生の卒部に当たって ―

総監督 大津 保男

 これから新しいスタートを切ることになる君たちBJ31期生の皆さんに、まず“これまで続けてくれてありがとう!”そして“これからもよろしく!”と言わせてもらいます。

 これまでを振り返ってみると、幼稚園・保育園の頃から今日まで、「けいご」や「だいき」がずっと続けてくれたおかげで、31期生がこうして活動できたのかも知れません。そういう意味で、この二人には特に感謝しています。

華奢な体格で多少のムラっ気がありながらも、ここぞという時には全力でプレーする「けいご」の頑張り、そして小学生(上級生)顔負けの卓越した体力と運動能力で、一つ下の弟(あるいは父親?)と日頃から張り合って鍛えた、負けん気を備えた「だいき」には、当時の誰もが、キッズ年代の無限の可能性を感じたものです。

ピッカピカの一年生の「つよし」には、妻田小など近隣の学校のメンバーが主体となりつつある中で、貴重なホームグラウンドである厚木小の新入生として道筋をつなげてくれ、妹「まいか」にも受け継いでくれました。

数年経ち人数も増えてきた頃から、「つよし」はそのひょうきんな一面に加え、持ち前の理解のよさと芯の強さを発揮するようになり、高学年になるとそのことを一層感じる場面が多くなった気がします。

また、一年生の夏に妻田小から入部した「まさや」と「ゆうき」の二人は、今のポジションもそうですが、おとなしく優しい性格ながらも、しっかりとチームの守りを固めてくれるようになりました。

特に、高学年になり31期生の正ゴールキーパーとして大きな役割を背負うようになった「ゆうき」には、身体を張った活躍により、仲間たちはどれだけの失点を免れたことでしょうか。

秋になって妻田小の「りく」が加わり、厚木小の「けんた」も29期生の兄とともに参加してくれる頃になると、活動も少しずつ軌道に乗り、上級生に混じっての対外試合の経験もできるようになりましたね。

落ち着いていて優しい性格の「りく」が、時折見せるクレバーな判断や闘争心、シャイな「けんた」が見せる兄譲りの光るプレーも試合での楽しみでした。

そして、現在の31期生の骨格が見えてきたのが、三年生になってからのこと。5月に第二小の「かいち」がその大柄な身体でデビューして新風を吹き込み、翌月には、厚木小の「あつし」が、先に入部していた弟に続いて加わりました。小黒兄弟については、入部の順番もあって、体つきから最初はどちらが兄か弟か、みんな混乱したのではないでしょうか。

その後、「こうへい」、「だいち」と第二小の仲間が増え、守備陣の人材が揃い始めて11人制の試合もなんとかこなせるようになってくると、試合の方もなかなか面白い展開が多くなりました。「こうへい」の執拗なマーク、そして点を取ることの快感も覚えた「だいち」は、表面上は冷静ながらも、ガッツあるプレーで楽しませてくれました。

さらに四年生も終盤に入るという頃のこと、運動能力の秀でた長男と三男がすでにBJで活動していた鈴木三兄弟の次男坊、厚木小の「こうすけ」が加わってくれて、さらに戦力強化につながったのです。

同じ頃、妻田小の「たくと」がドッジボールで磨かれた勘の良さというか、反応の素早さを発揮し、加えて明るく楽しいキャラクターの良さを前面に出して、日頃からチームを盛り上げてくれるようになりました。

一つのチームには、こうしたムードメーカーは不可欠で、そういう点で大きく飛躍する可能性が高まってきたと思います。

第二小つながりで五年生の終わり頃に入ってくれた「よしひろ」も、熱心に練習に励み、めきめきと力をつけ、すぐにチームに打ちとけて現在の14人の31期生となったわけです。

卒部を迎えるまでの約7年間、実質的には、他にも何人かの仲間が君たちとともに練習に励み、各種の行事に参加し、試合でも活躍してくれました。

こうした仲間はもちろんのこと、コーチ陣や父母の皆さんが、君たちの仲間を増やそうと努力を続けてくれたことや、色々な指導者が君たちの成長の手助けに関わってくれたことにも、今改めて感謝をして欲しいと願っています。

試合での勝利や優勝を逃して悔しい思いをしたこと、怪我などで思う存分活躍できず歯がゆい思いをしたこと、仲間とのちょっとしたいざこざで気まずい思いをしたこと、ライバルとの張り合いで敗れたこと、自分自身の目標が達成できず落ち込んだこと、その他にも様々なことがあったはずです。

君たちがサッカーを通じて学んだこと、いや学んで欲しい最大のことは、こうしたマイナス要素やプレッシャーなどをバネにして、挑戦してみよう、工夫してみよう、自分自身を向上させようと思うことのできる『心の強さ』です。サッカーが上手になり、体力や運動能力を高めることは、もちろん表面的な目標ではありますが、今後の中学校生活や社会の荒波に揉まれて生き抜くためには、『精神的に丈夫な人間』になることが必要だと思っています。

『楽しさを知り、熱中することで自ら育ち、心の強さを身につける』そうした一連のサイクルは、サッカー以外でも、もちろん勉強も含め、これから先の色々な場面で出くわすはずです。

『感謝の気持ち』、『仲間を大切にする気持ち』を持ち続け、是非『精神的に丈夫な人間』となるよう、君たち「BJ第31期生」には期待しています。

そして、一段とレベルアップした君たちと再会するのを楽しみにしています。