大きな試練を乗り越えて・・。さあ弾けよう!

− 27期生加藤君の卒部に当たって −

総監督 大津 保男

加藤君、まずは卒部おめでとう。そして最後の最後までどうも有り難う。

今回、27期生加藤君の卒部を迎えるに当たっては、BJとしても非常に大きな意義があります。それは、1978年のクラブ創立以来、卒部生を途切れさせることなく送り出すことができたということです。

低学年のうちからメンバーも揃い、卒部まで良い形でのチームづくりが継続できた昨年の26期生イレブン。それに対し、1年生の時から寺尾君が孤軍奮闘し、上級生と一緒になって活動してきた27期生。途中、何人かのメンバーが加わり、単独学年チーム結成も期待された中で、結局は果たせないまま、再び一人となった寺尾君に、5年生となってからは、遠く小鮎小から通う加藤君が加わってくれたのです。

サッカー経験が少ないながらも、いつも上の学年と一緒に練習し、ベンチサイドでの応援、そして足の速さを生かした選手として、一生懸命頑張ってくれました。両親譲りの恵まれた運動能力と体格をベースに、持ち前の明るく素直な性格とひたむきな努力の結果、加藤君はその後もメキメキと上達し、26期生のサポート役として貴重な戦力となってきました。

そのような中、27期生が最上級生となる時期を目の前にして、1年生からの牽引役だった寺尾君が、同学年の仲間との活動を求めてGPに移籍することを決断し、ここに新たな局面が生じました。加藤君自身はもちろんでしょうが、両親も色々と悩んだ末の結論として、唯一の6年生としてBJのチームを率いることを選択し、現在に至ったわけです。

私自身も、26期生の「スピリット」や「良い習慣」を次につなぐ役目として大いに期待し、さらに、下級生全体をまとめるというスポーツ少年団としての『リーダーシップ』を学ぶ場として、是非とも加藤君には頑張ってもらいたいとずっと思っていました。

幸いなことに、愛川SCなどとの合同練習や試合出場、さらにはトレセンでの活動も加わり、送迎などで両親はさぞかし大変だったでしょうが、サッカーに関しては実質的に幅広い経験をすることができたようですし、BJの中でもゴールキーパーをはじめ色々なポジションの経験をすることができてよかったのではないでしょうか。

とは言え、BJとして参加する6年生大会などでは、体力的にも差のある下の学年とともにチームを組まざるを得ず、強豪チームを相手にしての記録的な大量失点など、数々の辛い試練も経験しました。こうしたことを経て、加藤君の心の中には、いつかは「勝ちたい」、「点を取りたい」、「強くなりたい」、「うまくなりたい」という向上心が自然と沸き上がってきたものと思います。

卒部後の厚木ジュニアユース入りを目指そうというのもその現れの一つであり、最終的な結果はどうであれ、今年から一層狭き門となったセレクションに前向きにチャレンジする姿勢は大いに見習うべきものと思います。

加藤君ならば、今後どのような環境にあっても、きっと大きな飛躍を遂げてくれるものと確信しています。

サッカーは一生の友達です。サッカーを通じた友情もまた然りです。

目標を持って真剣に取り組むことの大切さは、今さら言うまでもありません。

これからも、成長の過程で様々な局面に出会うでしょうが、BJでの活動を通じて経験した『自分自身を絶えず向上させようとする努力』と『全体の中での自分というものを意識した周囲への気配り』を忘れず、『スポーツによって得られる人と人の触れ合いや心の通い合い』を大切にして、お父さんやお母さんに負けないようスポーツへの情熱を持ち続けて欲しいと願っています。

3年後には、弟の広貴君が30期生として晴れの日を迎えることになります。それまでの間にも、なるべく沢山の機会を見つけて、良き先輩、そして良きサポーターとして、是非ともクラブに顔を出してもらいたいと切望しています。