それぞれの栄光を目指して!

よ〜く考えよう。○○○は大事だよ。

− 26期生の卒部に当たって −

総監督 大津 保男 

BJのこれまでの歩みの中で、数々の輝かしい記録を生み出してきた26期生の君たち。その原動力は一体何だったのでしょうか? 卒部という時期を迎え、今一度頭の中を整理してみたくなりました。

【背景】

君たちの生まれた1991年(平成3年)と言えば、それまでの準備段階を経て、日本にプロサッカーリーグつまり「Jリーグ」が誕生した、まさに日本サッカー界の一つの節目の年です。Jリーグとともに育ってきた君たちは、時折テレビから流れてくる「ゴ〜〜〜〜ル!」などの声に、きっと無意識のうちに反応して、手足を動かしていたのではないでしょうか?

さて、そんな君たちが小学校に入る数年前あたりから、日本のサッカー熱は少し冷め(落ち着きを取り戻し)、どこの少年チームも部員数の減少などに悩まされる時期を迎えました。一方、BJは1998年(平成10年)に創立20周年を迎えることから、1996年2月のシニアチーム(B.Wings)の発足や父親の指導者としての参加促進等に力を入れ、また年間を通じた20周年記念事業を行い、新たな発展の基礎としたのです。

【活動の始まり】

26期生の君たちはこういった環境の中で小学校に入学し、1998年4月には鈴木健太君が妻田小から、中島祐樹君が厚木小からBJのメンバーになったのです。この2人の良きライバル関係は、それまで厚木小の児童主体であったBJに一つの転機をもたらしました。その後も妻田小からは藤田直樹君片桐祥太君福田航洋君らが、厚木小からは米田有佑君望月佑太君と続き、夏休み前までに7人の侍が揃ったのです。そして、普段の練習や試合では2年生と一緒に行動し、上級生を相手とした試合経験を数多く積む結果となったことは、体力向上やサッカーセンスの習得につながったのではないかと思います。

また、途中でやめてしまいましたが、秋には厚木小の山本響君、北村太久朗君が入部、さらに年が明けて1月には清水小の岸間俊篤君と厚木小の米山健史君という心強い2人がメンバーとなり、10月には厚木小の横井寛太君、3年生の4月には妻田小の佐多勇介君、6月に厚木小の橋谷謙助君と続きました。

【チームづくりとイレブン誕生】

こうして他のチームに比べても早い時期に、広い地域から程良い人数が揃いチームの形ができ始めました。このことで試合等の機会も増え、2年生の1学期市内大会では、運も手伝って若宮、戸田との対戦をともに同点PK勝ち。決勝に進出することとなり、鳶尾に0対1で敗れたものの、勝利することの楽しさを味わったのです。

これを弾みとして、低学年の頃から多くの試合経験を積み、父母の心強い支援や指導に当たったコーチ陣にも恵まれ、系統的・計画的な指導が行われ、勝率アップだけでなく、試合内容も徐々にレベルアップして行きました。

この間に、獲得したトロフィー、カップ、賞状等は、試合数が極めて多く試合慣れした常勝チームに比べれば少ないものの、これまでのBJの歴史の中でも最多であり、それ以上に、スポーツマンとしての心構えを含め、物事に真剣に取り組むことの大切さが理解できるようになったことは大きな収穫です。

メンバー的には、5年生の当初から厚木小の佐藤成悟君が入部、9月になると1年生の終わりに岩手に引っ越した米田君が再び厚木へ戻り、ここに至って現在のイレブンが揃うという状況でした。だが、佐藤君はBJに在籍していた兄の影響を少なからず受けている大型選手、米田君は引っ越し後も花巻サッカー少年団で活躍してきた即戦力のメンバーということで、ワンランクアップの下地ができたのです。

そして、下級生のサポートはあるものの、試合にはギリギリの人数であるだけに、逆に、「自分たち一人ひとりがしっかりしないと・・・・」という自覚にもつながったような気がします。さらに、メンバーが固定しているため、それぞれの持ち味が明確になりチームづくりがしやすいという点もあげられます。

【飛躍に向けて】

日頃からの自主練習やトレセンでの練習も、当然のことながら君たちのレベルアップに大いに貢献した原動力です。

『好きこそ物の上手なれ』という言葉を聞いたことがあると思いますが、まさにそのとおりです。「好きになる」→「夢中になる」→「知らず知らずに努力する」→「努力が実った気がする」→「満足感を持つ」→「さらに上があることを知る」→「世界が広がる」→「あこがれる」→「新たな目標を定める」→「目標に向けて挑戦する」→「好きなことなので挑戦が苦にならない」→「自分の定めた目標を達成する」→「達成したことで自信がつく」→「他人よりも優位に立つ」→「心地よい」→「さらに好きになる」→(以下、これの繰り返し)というプロセスで、力をつけていくわけです。

ただし、この繰り返しのプロセスのある一時期に、誰しもが『挫折感』という大きな壁に出会います。そして、その挫折感を乗り越えることができるかどうかが、次のステップへの大きな分かれ目なのです。

その壁を乗り越えるのに必要となるのは何かと言えば、強い心や意志(タフなハート)、そういう強さを支える健康な身体(タフなボディー)、さらに親友・親・先生(指導者)など君たちを見守ってきた人々の的確なアドバイス、それにプラスされるのが「流れ」や「運」であると思います。

【贈る言葉】

うまくなりたい、強くなりたい、試合に勝ちたいなどの気持ちを、心底思うようになった時、すなわち向上心が芽生えた時に、次への飛躍のチャンスが訪れます。そこで、卒部に当たり、これからサッカーに限らず、勉強や恋愛その他色々な困難に立ち向かうことになる君たちに、次の言葉を再び贈りたいと思います。

サッカーを楽しみ、サッカーを通じて学んだことの成果として、未知の世界での様々な闘いに臨んだ場合には、自分を取り巻く環境や周囲の状況によって冷静な判断力を失うことなく、自分の言動が及ぼす周囲への影響を考える余裕を持ち、自分で判断し決定した行動をひるまず着実に粘り強く実行できる、そのような主体性に裏打ちされた『本当の強さ』を身につけてもらいたいと願っている。(1998年 BJ創立20周年記念誌より)

“ナンバーワンよりオンリーワン”という考え方はもちろん大切ですが、ややもすると、大きな壁を前にしてすぐさま迂回路を探す逃げ口上になりかねません。

まだまだ多くの素晴らしい「個性」や「能力」という、両親から授かった宝を秘めている伸び盛りの君たちです。これからも是非とも自分自身を磨き続けて、様々な分野で新たな個性を発見・発掘し、“オンリーワンでナンバーワン”を目指して欲しいと思います。

楽しさ、喜び、悔しさなどを味わうだけでなく、思いやること、耐えること、冷静になること、考えること、判断すること、燃えること、チャレンジすること、感謝すること、仲間を大切にすること、リーダーシップなど、BJで過ごした日々は、君たちに『本当の強さ』を実現するための沢山のツールを残したはずです。是非とも、これらを最大限に活用して、それぞれの栄光を目指して欲しいと思います。

【お願いしたいこと】

水は低い所に向かって流れます。その流れが道筋を造り、また新たな水を呼び寄せます。

サッカー好きで練習熱心、そして思いやりやチームワークなどにも優れた君たち26期生に期待すること、それはBJでの活動を通じてこれまでに身につけてきた『良い習慣』をさらに発展させ、後輩たちにとって、頼りになる大きな道筋として、BJの流れを造って維持して欲しいということです。

運動量豊富な明るいテクニシャン「けんた」こと「鈴木君」

冷静沈着なBJの大黒柱「なかじ」こと「中島君」

頭脳とナイーブさが持ち味の「なおき」こと「藤田君」

シャイなBJの俊輔「しょうた」こと「片桐君」

テクニックを武器にした右の切り込み隊長「こうよう」こと「福田君」

返り咲いた左の切り札「よね」こと「米田君」

ひょうきんと愛嬌の「もち」こと「望月君」

燃えるBJの守護神「としあつ」こと「岸間君」

BJの貴公子「けんし」こと「米山君」

オフサイドも恐れず神出鬼没の猿飛佐助「さた」こと「佐多君」

スピードあるパワフルバズーカの「せいご」こと「佐藤君」

以上、26期生のイレブンに

   有り難う、ご苦労さん、そして、よろしく・・・。