どんな時にも『My Dream』を追い続けてチャレンジを!!
 
監 督  大津 保男
 
 西暦2000年の春、晴れて中学生となる君たち6年生に関しては、振り返ると色々な思い出が浮かび上がります。そのうち、この一年間のいくつかの試合で見せてくれた感動的な、また印象的な場面をいくつか思い出してみたいと思います。
 
(その一)
 新年度を迎え最上級生の6年生となった君たちが、一丸となって勝ち取った思い出に残る大きな勝利、そう、それは第23回全日本少年サッカー大会神奈川県大会での藤沢FCとの戦いです。シードチームで会場担当でもある藤沢FCを相手に、このブロック第2回戦での初戦を迎え、6年生7名5年生7名の選手、父兄、そして我々の緊張も高まります。 相手のホームグランドで、しかも本部席では運営の父兄にも余裕の表情が見える中でのキックオフ。幸いにも、開始早々2分余りであっさりと山田君が右からのミドルシュートを決めて先制、だが藤沢FCもその数十秒後にきっちりとお返しのシュートで同点に持ち込み、前半は一進一退の好ゲームが展開されます。
 DFの要の6年生加藤君は故障で引き続きベンチ入りのまま、メンバー交替なく後半突入。早めの追加点を期待するも、BJには攻撃の糸口がなかなか見つからず、藤沢FCの反撃にただただ防戦一方、さながら小粒な仲村渠君のキーパー練習のような有り様。しかし、前半の9本を上回る後半16本もの相手シュートは、抜群の反応をする我らが守護神の仲村渠君にことごとく阻まれ、また、大きなゴールも相手のシュートミスを誘い、時にはボールをはねのけてくれるなど、なかなか得点には至りません。
 そして終了のホイッスル。1対1の引き分けでのPK戦に突入です。
キーパーを海野君に替えて先攻するBJのキッカーは、山田君−海野君−岸君−仲村渠君−金子君の順番。ゴールが大きいこともあり、BJも藤沢も5人づつのボールはすべてゴールの中に吸い込まれます。さらにサドンデスに入り、5年生山口君もきっちり決め、続く吉川君も落ち着いてゴール。いつまで続くかこのPK戦は、とあきれかえっている時、何と藤沢FC7人目のキッカーのボールはクロスバーにはじかれ、あえなく7対6での決着。これでブロック準決勝進出をものにし、翌週への大きな期待へとつながりました。
 
(その二)
 春の全日本少年サッカー大会神奈川県大会と並ぶ大きな公式戦、冬の県選手権大会でもヒヤヒヤながら楽しませてもらいました。
 秦野市のなでしこ広場を会場に横浜の「藤の木」との1回戦、朝一番の試合は苦手なBJだが、勝つことを意識したみんなの気持ちも感じられる中でキックオフ。森下君と井上君が加わり、春の大会の時とは異なる布陣で臨みます。
 先制点をという気持に反して、前半17分での思わぬ失点をきっかけに重苦しい雰囲気、さらに19分のオウンゴールと追い打ちをかけられ、終了間際に得た貴重な山田君の直接リーキックも不発に終わります。
 ハーフタイムには「取られたら取り返す」、「グラウンドを広く見渡す」、「声のサポート」を忘れるな、そして「落ち着いて」プレーをしようとの確認・指示をしてから迎える後半戦。しかしながら、その後も何回かのチャンスを生かしきれず、刻々と終了時間が近づいて行きます。
1回戦敗退がチラチラと頭をかすめる中、16分過ぎ海野君のボールが1点に結びつき、またもや希望の光がともります。そして、終了間際の19分、山田君が右からの超ファインプレーとも言える見事なミドルシュートを放ち、同点に戻します。
 PK戦ではGKを山口君から山田君に替え、ツキを呼び寄せようとの期待から、先攻第1キッカーも山田君。だがしかし、ボールはクロスバーの上を通過、次の金子君のボールも正面で阻まれ、7mゴールであることを考えると、今のところは0対2ながら敗戦濃厚となります。
 ところが、ここでまたもや希望の光がともります。仲村渠君、海野君と2人が確実に入れる一方、山田君は相手シュートを持ち前の運動神経で防いで2対2、最後のキッカー加藤君に期待をつなげます。そして、強力なシュートを加藤君が落ち着いて決めて、みんなの目は次に展開されるドラマに釘付けとなります。
 ここで、一瞬の静寂の後、藤の木の5人目のボールにキーパーが反応し、波に乗る我らBJに幸運が転がり込み、3度目の正直の逆転勝利となりました。
 
 この一年間、6年生担当コーチの加藤さんや白沢淳コーチを中心として、君たちの目標を次のように掲げ、指導していただきました。
 @自分たちがプレーしていて面白いと感じるサッカーを目指す
 A自分自身が上達したと確認できるように可能性を引き出す
 B練習は自分のために、試合はチームのために集中し全力をつくす
 C自主的な判断と決断ができる選手になる
 これらについて、100%達成とは言いませんが、みんながそれぞれのペースで着実に成長し、実力をつけてきたことは間違いない事実です。もっと自信を持って良いと思います。
 欲を言えば、練習の時から、自分にはもっと厳しく、そして他人の失敗には寛容になり、試合に臨んでは、自分たちでチームの気持を高め、試合中はもっと自分をアピールして声を出すことができれば申し分ないと思います。
 「優勝」という二文字には縁がなかった君たちですが、サッカーでの活動を通じて沢山のことを身につけています。今は気づかないかも知れないけれど、何年か、あるいは何十年か先、きっと分かる時が来ます。
これからも様々な困難に直面すると思いますが、その時の心構えとしてBJのOBとなる君たちに贈るアドバイスです。


◎ 油断の後には必ず落とし穴があり、ピンチの後には必ず
 チャンスが訪れることを忘れるな。
◎ 最後の最後まで、決してあきらめるな、決して後ろ向き
 の気持ちになるな、苦しい時こそ顔を上げ、自分を信じよ
 う、必ずチャンスがくると信じよう。
◎ 行き詰まった時こそ気持ちをリラックスさせ、もう一度
 全体を見渡そう、あせっても結果は出ない、他にも道が見
 えるはず。
◎ 一人より二人、二人より三人、チームワークは力である
 ことを忘れるな。
 

 海野 健介、加藤 尚志、松尾 拓馬、仲村渠 純、岸 竜一、金子 竜、 鶴田 智、唐川 隆一、山田 佑介、森下 諒一、井上 実 以上11名のBJ22期生の仲間たち、家族のサポートやみんなの応援があって今の君たちがあることに感謝をし、これからも、自分自身の夢に向かっていつまでもチャレンジをして欲しいと思います。